全身小説家 (原一男) ★★   【日・1994】

死すら"資材"にしか映らない、"冷たい"とは全く別次元の温度のない視点。
原一男のそれは、真の"神の視点"なんだと思う。
手は差し伸べないが、確かな存在感・実在感で見守る。見守り続ける。
早かれ遅かれ、多かれ少なかれ狂わない人間などいるのだろうか。
映画が完成するには、井上光晴が贄となるしかない。
もちろん監督は理解ってる。コモドドラゴン並の厭らしさ。


寂聴をはじめ、人は無力だなあ。
滑稽なものだ。