FAKE (森達也) ★★★★   【日・2016】

なにはともあれ、森達也の"信じる力"凄い。
先月集中的に観た、平野勝之とは真逆からのアプローチ。
被写体をポジティブに、それでいて熱量は限りなくゼロで撮る。


オレも映像ディレクターの端くれだったので、この映画の着地点は理解っていた。
どう考えてもそれしかないと。
難しいことではなくて、100人ディレクターがいたら100人そう考える。
しかし、それを佐村河内守に了承させられる人間が何人いるだろう。


しかも森達也森達也で、作りたいモノを作っているという。
佐村河内守はただの素材でしかないという。
そう。これは森達也の「型」なのだ。


自然と家族(ネコ含む)が集まってきた、あのシーンは泣いてしまった。
『ドキュメンタリーの神様っているんだな』って。あそこ演出していたら(例えば、見えない所に餌を置いて猫を誘導していたり)、それはもう悪魔の所業。