さや侍 (松本人志)  ★★   【日・2011】

全編通して、演出家としてのスキルを全く感じさせない映画だった。


まず映画が始まって20分、ここを無駄使いしすぎ。
以後全然話に絡まない3人組をフィーチャーしてる場合ですか。
もっとさや侍の生きる屍感演出しなきゃダメじゃんよ。
例えば「プライベート・ライアン」のアタマ20分でも観るといいと思う。俳優を誰もサボらしてないし、なんの話でどんな話なのか全て画で説明し切っているので。
ちょっとは勉強するべき。


主人公の立ち位置がハッキリしないまま話が進むので、最後も全然ノレなかった。
冒頭提示したリアリティ・ラインが邪魔してる。


細かい演技してたのは、野見娘だけだった。
細かい演技しなくていいのは野見さんだけでしょうが(しかし、野見さんを野見さんのまま見せるのが演出だと思ってたら、大きな間違いだ!)。


若君なんて、もっともっと「笑ってはいけない病院」のあきたか君ばりに面白くしてやれよ。同じ表情ずっとさせやがって。
出し物も尻すぼみすぎる。
最後の方なんて、笑い目的の出し物ですらないじゃんか!
伊武雅刀の「切腹を申し付ける!」も要工夫。何回同じ画見せとんねん。


松本人志の映画って、映画監督として以上にお笑いのプロとしてガッカリさせられるのがホント痛い。
しんぼる」にせよ「さや侍」にせよ、笑いに格上感がまるでないもんなー。
ホント笑いが未練たらしくて悲しくなった。


結論的に、時代劇なのも「外人受けをよくするため」な浅ましさしか感じませんでしたとさ。